記憶と記録

見えたことは事実ではなく自分というフィルタを通した記憶であり、さらに記憶は記録で上書きされる。写真とカメラ関係のブログです。

「テーマパークで写真の達人」(仲道雄大):ディズニーランドでとにかく綺麗な写真を撮るための本

 Kindleで読める写真の撮り方の本を読みました。著者はプロカメラマン仲道雄大さん。 彼は子供の頃からのディズニーオタクで、ディズニーランドで綺麗な写真を撮るためにカメラを始めた人です。だから、ディズニーランドで綺麗な写真を撮りたいという方には最高に分かりやすい本です。値段も300円と安いです。

 

 この本の特徴は、撮影シーンをテーマパーク、もっと言えばディズニーランドに絞っていること。そのため、撮影パラメータも決め打ちで書かれています。

シーン1.晴天時のショー撮影のオススメ設定

(1)ISO感度を「100 」に設定

(2)シャッタースピードを1/800~1/2000

(3)F値は一番低い値から1段ほど高くする

どうです?大胆な書き方だと思いませんか?

 どんなレンズを使っているのか分からない人に対して、ここまで具体的数値で設定を書くのは勇気がいります。そして、それだけ分かりやすい。

 この分かりやすい書き方の裏には、画質を上げるためISO感度をなるべく低く、ショーで被写体ブレしないシャッタースピードは1/800より速い範囲で設定、解像度を上げるためにF値を少し絞る、といったセオリーがあり、このセオリーも丁寧に書かれています。

 さらに夜のパレードの撮影についても撮影パラメータ決め打ちで書いています。

シーン3.夜のパレード撮影のオススメ設定

(1)シャッタースピード1/160~1/320

(2)ISO感度オート

(3)F値は一番低い値

 夜のパレードは被写体の明るさがコロコロ変わるためISO感度オートを勧めています。合理的です。

 このように撮影シーンを分けることによって、撮影パラメータを具体的に書いており、分かりやすい本です。

 

 この本は初級テクニックだけ書いた本なのかと思うと、そうではありません。とにかく綺麗にディズニーランドを撮ることを目的にしていて、上級テクニックも書いています。

 例えば、曇りの日のショーの撮影では、彩度を少し上げる(曇りの日は色がくすんで写るため)こもと書いており、細かいテクニックも忘れていません。さらに室内グリーティングではスピードライトの天井バウンスのことまで書いています。

 

 私にとって、この本が一番役に立ったのは、3分割構図の空きスペースの使い方についてです。被写体のキャラクター(あるいは人間)の視線が向いた側にスペースを空けることは定番のテクニックです。逆に、視線の先の空間を詰めると暗いイメージを演出できます。このとき、空けたスペースに明るいイメージのものがあると写真の印象が変わります。もっと一般的に言えば、3分割構図で空けたスペースに明るいイメージの物を置くか、暗いイメージの物を置くかを意識すると写真全体の印象が揃うということですね。私は、あまり意識していないポイントだったので、勉強になりました。

 

まとめ

 ディズニーランドでの撮影に特化した撮り方本を読みました。撮影パラメータが具体的で分かりやすい。分かりやすいからと言って初級テクニックだけを書いた本ではなく、とにかくディズニーランドで綺麗な写真を撮るための方法を具体的に書いた本です。

 この本を、ディズニーランドに行く前に目を通すと良いと思います。値段も300円と安いですし。