記憶と記録

見えたことは事実ではなく自分というフィルタを通した記憶であり、さらに記憶は記録で上書きされる。写真とカメラ関係のブログです。

Half in 365 day project

 上達するには練習の「質より量」だと思っています。英会話、テニス、写真など何でも練習量が必要です。特に初心者のうちには。

 私は、いま千本ノックのような量の練習を写真に対して行っています。それが365 day projectです。このプロジェクトの目標は、一年間この写真ブログを毎日更新することです。現在、ちょうど半年が過ぎたのでこのプロジェクトについてまとめます。まとめることで、初心と成果を確認し、残り半年のモチベーションになると良いなと思っています。

 

 なぜ365 day projectを始めたか?

 写真が上手くなりたい。私は楽しく写真を撮ってはいますが、どうも初級者の域を出ることができません。ネットで写真を見ていると、上手な人がたくさんいます。自分がそのレベルに達しっていないと思っており、こういうときは「質より量」の練習だと思ったわけです。

 写真撮影のテクニックを調べると、その数は案外少ない。構図が数種類(3分割構図、対角線構図、額縁構図等)と、F値でボケをコントロールすること、シャッター速度で被写体ブレをコントロールすること、露出の上げ下げで明るさをコントロールすること、これくらいです。ですから、テクニックが分かっていない訳ではなくて、テクニックの使い方が分かっていないのだと自分のことを考えています。

 写真のセンスとは、こういうときにはこう撮るというルールの束だと考えれば、そのルールが貧弱なのが初級者であり、それが今の私の状態でしょう。ならば、このルールを増やすためには、色々な写真をたくさん撮り、写真のことをたくさん考えるようにすればOKだと思ったのです。

 

具体的には何をするものか?

 このプロジェクトでは、毎日ブログを更新することにしています。その際の心掛けは二つ。(1)貼る写真はなるべく一枚に絞る、(2)写真の解説文をつける。

 この二つを設定した理由は、ある程度の質を確保するため。まず一つ目の「貼る写真は一枚」は、写真を選ぶことを自分に強制することで、どの写真が一番か?なぜそう思うのか?を考えるようにするためのものです。もともと一枚の写真を選ぶのって私は苦手で、念のためもう一枚ブログに貼っておこうかと考えがちです。つまり、私は写真の良し悪しを決められていないのでしょう。

 「写真の解説文をつける」は、思考の明確化のためのものです。ターコイズブルーとマリンブルー、可憐と可愛い、カッコイイと美しい、言葉を細かく使い分けるためには、写真の印象の細かな違いを見分けることが必要です。説明文をつけることで、写真の細かな違いに気付けるようになれると期待しています。

 

半年実行してどうだったか?

 半年やってみて、色々と変化したことや分かったことがあります。

 まず、自分の写真を眺める時間が増えました。毎日の一枚を選ぶ作業は、写真の好き嫌いを自問自答する時間です。主題の力強さ、背景の魅力、左右のバランスなどを気にしながら自分の撮った写真を眺めています。こうやって眺めていると、もっと違う撮り方があったのではないかと他の選択肢が浮かんできます。この考えている時間がまた楽しい。

 そして、自分の好みがはっきりしてきました。だんだんと暗い写真が好きになり、カラフルよりもマットな色の写真が好きになってきました。また、パキパキに解像した写真よりもフンワリした写真が好きになってきました。さらに、広角レンズよりも標準レンズが撮りやすく感じてきました。どうも広角レンズでは好きな写真に仕上がることが少ないようです。このようにして自分の「型」というものが出来ていくのでしょう。

 一方、「写真の解説文をつける」には苦戦しています。なぜその写真を撮ったのか、何を考えて撮ったのかなど書こうとしてもなかなか文章になりません。今は、無理やり解説を書いており、なんだかポエムのような抽象的な文章になっています。これは、綺麗、カッコイイ、すごい、といった印象を私がブレークダウンできていないからだと思います。綺麗だと思ったのだとしたら、それは形なのか、明暗差なのか、色なのか意識できて、さらにその綺麗が一番強く表れるのはどの部分かを言えれば、もう少しまともなものが書けるような気がしています。


今後どうするのか?

 半年やってみて、写真を撮るには、自分の好みを知り、被写体の良いところをしっかり意識してそれが一番良く見える構図を決めることが必要に思えています。今はまだ被写体の良いところをぼんやりとしか意識できていない状態です。あと半年続ければ少しはクリアに意識できるだろうと期待しています。

 また、撮った写真を良く見るようになってきましたが、一方で写真を撮る時に目を向ければ、被写体を見つけたらパッパッと撮ってしまうことが今は多いですね。今後は、狙って撮る写真を増やしていきたい。撮影に出かける前に、被写体の狙いどころはここで、こんな背景と一緒に、こんな感じの光で撮るといった具合にしっかりイメージをして撮るようになりたいと思っています。そのためには事前にロケハンにいく必要があります。