今年買って良かったものエントリをネットでよく見かけます。
私が今年に買って良かったものは、富士フィルムのミラーレスカメラ X-T2です。なぜ、このカメラを買ったかについてはすでに別エントリで書いています。
買うときには考えていなかったことですが、写真を撮る良い練習になるカメラでした。具体的には次の二つ。
- 操作系が独自で、写真を撮る良い練習になる。
- フィルムシミュレーションが、写真を撮る良い練習になる
操作系が独自で、写真を撮る良い練習になる
露出の話です。どのメーカのカメラも露出を自動で合わせてくれます。この自動というのが曲者で、その明るさが自分の意図に合っているかは別の話で、がっかりする写真になることがしばしばあります。
そもそも、露出をオートで撮るとき、あなたは明るさを意識していますか?
被写体の色に合わせて露出を変えるのは、常識ですよね。カメラ任せにすれば、黒も白も、同じ明るさに写ります。だから、黒いものを撮るときは露出を下げ、白いものを撮るときは露出を上げる。これは、写真の初心者本に書いてあることですが、なかなかできないことです。だって、面倒だから。
富士フィルムのカメラには、ISO感度、シャッター速度、絞り、露出の4つが夫々ダイヤルに割り当てられているので、これらを操作しようという気になります。露出を上げる時、ISO感度、シャッター速度、絞りのどれを変えるのかは、被写体次第。私は大抵、
- ISO感度:オート
- 絞り:マニュアル設定
- シャッター速度:マニュアル設定
で撮っています。明るく撮りたいときは、カメラの指定のISO感度よりも、大きなISO感度に設定するだけです。ただし、シャッター速度に余裕があれば、ISO感度はカメラの指定通りにして、シャッター速度を遅くしたりします。
こういうことが簡単にできる操作系を備えているのが富士フィルムのカメラです。富士フィルムのカメラを使っていると、絞り・シャッター速度・ISO感度に敏感になっていきます。
通行人を被写体ブラさせないで撮るには、最低シャッター速度は1/125秒、可能なら1/200秒にしたい。X-T2で画質に許容できるISO感度は3200。そういったパラメータがどんどん体に染みついてきます。
そして、明るく撮りたいときには、ISO感度・絞り・シャッター速度のどれを触るべきか、そんなことを考えるようになっていくカメラです。
フィルムシミュレーションが、写真を撮る良い練習になる
富士フィルムの色は綺麗という人がいます。私は、それに反対します。富士フィルムのカメラの色は綺麗なのではなく、振り幅がが極端なだけだと。
フィルムシミュレーションVelviaとProviaの出来上がりは全然違います。クラシッククロームを使うと、全く異次元の違った写真が撮れます。
ニコンのピクチャコントロールのように、他のメーカにも色をコントロールするパラメータは存在しますが、富士フィルムのカメラのそれよりも大きく出来上がりの絵を変えるます。
ところで、出来上がりの色によって、撮るべき被写体や構図が変わります。これはあまり意識されることのない話です。例えば、モノクロ写真を撮る際に、カラフルな被写体を選ぶ人はいないでしょう。彩度の低いフィルムシミュレーションでは、色よりも明暗差を意識して構図を作ることになります。彩度の高いフィルムシミュレーションでは、とにかくパッキリした色の被写体を狙って撮影することになります。このように、出来上がりの色・コントラストを意識した被写体選び・構図選びを、富士フィルムのカメラを使っていると意識することになります。
こうやっていると、だんだん写真を撮りに出かける前に、光の状態や被写体を想像しながら色やコントラスを決めるようになります。これが、写真を撮る良い練習になります。光を意識するというか、仕上がりを意識した被写体選びをするようになり、撮影時に深みを増します。
まとめ
富士フィルムのカメラX-T2を使っていると、これは写真の練習をさせるカメラだとお思います。これが写真上達につながると信じています。
富士フィルムのカメラでないと撮れなかっただろうと思う写真を貼っておきます。
Velviaで色をコッテリ出した写真です。撮る前から、自転車に乗った人のオレンジのジャケットが良いインパクトになることが分かっていました。色が濃くでるVelviaに設定していたことを意識して狙った構図です。
フィルムシミュレーションをクラシッククロームにして撮った写真です。色が淡くでる設定のため、明暗差を意識して被写体を探しました。天気の良い日で押し花に落ちた影をみつけて狙った写真です。
フィルムシミュレーションを意識して構図を探す、これが構図を考える良い練習になります。