記憶と記録

見えたことは事実ではなく自分というフィルタを通した記憶であり、さらに記憶は記録で上書きされる。写真とカメラ関係のブログです。

私が今でもリコー GR Digital 3を使い続ける理由

 リコーGR Digital3(以降GRD3と略します)という2007年発売のカメラを愛用しています。2019年は、1,100枚ほど写真を撮りました。個性のあるカメラだから、手放せないのです。

 

 このカメラが発売された2007年というと、初代iPhoneが発売された年で(ちなみに、instagramがiPhoneアプリを出したのが2010年、Lineは2011年です)、大昔という印象がありますよね。実際、画素数は1000万画素しかないし、撮像素子はCMOSではなくCCDです。

 

 そんな古いカメラを私が使い続ける理由を書いていきます。

 

そもそも、カメラに個性が必要な理由 

 どんなカメラにも得意・不得意があり、一台で全ての撮影シーンをカバーすることは難しい。逆に一台のカメラしか使わないと、自分の撮影スタイルがカメラの特性に引っ張られて偏ります。

 複数のカメラを使う上で大切なのは、夫々の使い分けがハッキリしていること。これには、個々のカメラが個性的であることが必要です。そうすることで、重複領域が減り、全体として大きな撮影領域をカバーできます。

 それに、個性があるカメラの方が使っていて面白いですからね。

 

GRD3はどういうカメラか?

    リコーのGRシリーズは、小さくてシンプルで写りの良いカメラです。

   GRD3は、スマートフォンよりも小さくてジーンズのポケットに入ります。ジーンズのポケットに入ることは割と大切で、上着を着ない夏でもポケットに入れて持ち歩くことができます。

  機能はシンプルで、顔認識AF・手ぶれ補正・ズームなど、何もありません。焦点距離28mm(換算)の単焦点レンズがついているだけです。

  レンズはとても性能が良くて、キレのある(解像度の高い)写真が撮れます。

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スマートフォンよりも小さいGR3

 

小さいことの価値

 GRD3がポケットに入ることはとても大切です。カバンに入るのではだめなのです。

 皆が見逃してしまうありふれた日常の中で、美しいシーンをみつける人がいます。心に小さく引っかかった何かを撮るには、シャッターが近くに無いとダメです。つい億劫になって撮り逃してしまいます。

 ふと綺麗な光をみつけたとき、ポケットに手を入れてGRD3をつかんで、電源ボタンを入れながら構える。目はずっと風景を見たまま、指がシャッターボタンにかかっている。そんな簡単さとても大事です。

 

片手で撮れることの価値

 GRD3は片手で撮れます。小さいことと、右手だけで設定を変えることができるためです。

 写真を撮るとき、明るさ・シャッター速度・ボケ量を決めることは大事で、写真の印象はこれで決まります。中でも、明るさは一番大事です。暗い場所でも明るい場所でも、オートで撮ると全部同じ明るさに写るからです。

 GRD3では、明るさを調節するためのボタンが大きく操作しやすい点が、嬉しい。

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GRD3の操作ボタン、右手だけで全て操作できる

 

 片手だけで撮れるメリットのもう一つは、カメラの高さを変えやすいこと。

 写真の印象はカメラの高さでかなり変わります。例えば、”子供の目線で物を視る”と言うのは、低い位置でカメラを構えると世界が違って見えるから。片手なら、低い位置だけでなく高い位置でも撮れます。

 

 下の写真GRD3で撮った渋谷の写真。スマホではこうは撮りずらい。明るさを暗くし、さらにカメラ位置を高くしています。

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スマホで撮りずらい高い位置で撮った写真

 

 

 

そうは言っても1000万画素は少な過ぎないか?

  GRD3のレンズは素晴らしいですが、12年前の撮像素子は画素数1000万画素と、少ないように思う人もいるでしょう。

 1000万画素で使える写真になるでしょうか?そこで、写真の使い方から考えてみましょう。

  • 4Kディスプレイの画素数は800万画素です。4Kディスプレイに表示するには1000万画素で余ります。
  • インスタグラムを考えてみましょう。インスタグラムにアップできる写真の画素数は最大100万画素程度です。これ以上、高画素の写真をアップしても、勝手に100万画素に減らされます。
  • 私がこのブログに貼っている写真は200万〜400万画素程度です。

 

このように1000万画素あれば十分なのです。

 

 まとめ

 リコーGR Digital3という12年前のカメラを愛用しています。

 古いカメラですが、小型で十分な画質を持つため、手放せません。小型であることは、日常の一コマを撮り逃さないために大切なのです。

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渋谷の帰り路

 

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ふと見上げた 新宿の空