APS-Cとマイクロフォーサーズはどっちがボケるか?
もちろんレンズによってボケ量が変わる。この質問をする人は、同じボケをする場合にAPS-Cとマイクロフォーサーズのどちらのレンズが安いか?を知りたい筈だ。
被写体にはピントを合わせ背景をボカす、写真を撮るときの定番の構図だ。背景のボケる量はレンズによって変わる。レンズのF値が大きいほど良くボケることは下のエントリで説明した。
では、マイクロフォーサーズの大三元レンズOLYMPUS M.ZUIKO ED 12-40mm F2.8 PROと APS-Cの安価なレンズ AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6 G VRはどちらがボケるのだろうか?
撮像素子のサイズが違うため、なかなか比較は難しい。実は同じ画角の焦点距離で比較した場合、ボケの大きさはf/Fに比例する(fは焦点距離)。
まずは広角側、35mm換算で焦点距離27mmの画角の場合、下の表のようになり、APS-C(AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6 G VR)の方が良くボケることが分かる。
撮像素子 | レンズ | f | F | f/F |
---|---|---|---|---|
APS-C | AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6 G VR |
18.0 | 3.5 | 5.1 |
マイクロフォーサーズ | OLYMPUS M.ZUIKO ED 12-40mm F2.8 PRO |
13.5 | 2.8 | 4.8 |
次に望遠側、35mm換算で焦点距離80mmの場合、下の表のようになる。こちらはマイクロフォーサーズ(OLYMPUS M.ZUIKO ED 12-40mm F2.8 PRO)の方が良くボケる。ちなみにAPS-CでF値が3.7のときf/F=14.3となり、マイクロフォーサーズと同程度のボケとなる。
撮像素子 | レンズ | f | F | f/F |
---|---|---|---|---|
APS-C |
AF-P DX NIKKOR |
53.3 | 5.6 | 9.5 |
マイクロフォーサーズ | OLYMPUS M.ZUIKO ED 12-40mm F2.8 PRO |
40.0 | 2.8 | 14.3 |
値段比較
価格コムで現在価格を調べると、
- AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6 G VR(APS-C):2万8千円
- OLYMPUS M.ZUIKO ED 12-40mm F2.8 PRO(マイクロフォーサーズ):7万5千円
と圧倒的にAPS-Cの方が安い。広角側を使うのであればAPS-Cの方が良くボケるため、APS-Cがお得である。
一方、望遠側を使うのであればAPS-CではF値3.7必要となる。これに相当するのは、AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VRあたりで、現在価格は9万3千円である。焦点距離80㎜(35㎜換算)でボケを求めるならマイクロフォーサーズがお得である。
まとめ
撮像素子の異なるカメラのボケの量を比較するのは難しい。
ボケの量がf/Fの大小で比較できることを使って、マイクフォーサーズのOLYMPUS M.ZUIKO ED 12-40mm F2.8 PROを評価した。
焦点距離が27mm(35mm換算)を使うのであればAPS-Cには安価で良くボケるレンズがあるが、80mm(35mm換算)を使うにはマイクロフォーサーズの方が安価で良くボケる。
OLYMPUS 標準ズームレンズ ED 12-40mm F2.8 防塵 防滴 マイクロフォーサーズ用 M.ZUIKO ED 12-40mmF2.8PRO
- 出版社/メーカー: オリンパス
- 発売日: 2013/11/29
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログ (2件) を見る
Nikon 標準ズームレンズ AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR ニコンDXフォーマット専用
- 出版社/メーカー: ニコン
- 発売日: 2016/09/16
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
Nikon 標準ズームレンズ AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR
- 出版社/メーカー: ニコン
- 発売日: 2015/07/16
- メディア: Camera
- この商品を含むブログ (1件) を見る