上のエントリでは、F値が同じ場合、望遠レンズの方(焦点距離が長いほど)が良くボケることを数値で示しました。
では暗い(F値の大きい)望遠レンズと、明るい(F値の小さい)広角レンズではどちらがボケるのでしょうか?今回はこれについて書いていきます
結果から書くと、
となります。
キヤノン EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM
Canon 標準ズームレンズ EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM APS-C対応
- 出版社/メーカー: キヤノン
- 発売日: 2013/04/12
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
キヤノンの一眼レフカメラのキットレンズキットが、このEF-S18-55㎜F3.5-5.6 IS STMです(広角側が18mm F3.5、望遠側が55mm F5.6)。
このボケの大きさを計算したのが以下です。望遠端は、背景距離が2.5m付近までは広角端よりボケませんが、それ以上背景距離が大きくなるとボケが大きくなります。
広角側から望遠側に焦点距離を変えると被写体が大きく写ります。上のグラフは、被写体の大きさが変わらないように焦点距離を長くしたらその分被写体距離も大きくして写す場合で書いています。
FUJIFILM X-T20/XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
FUJIFILM ミラーレス一眼 X-T20 レンズキットブラック X-T20LK-B
- 出版社/メーカー: 富士フイルム
- 発売日: 2017/02/23
- メディア: Camera
- この商品を含むブログを見る
FUJIFILM X-T20/XF18-55mmF2.8-4 R LM OISは富士フィルムのX-T20やX-E3のレンズキットに付属するレンズです(広角側が18mm F2.8、望遠側が55mm F4)。
このボケの大きさを計算したのが以下です。望遠端は、背景距離が1.5m付近までは広角端よりボケませんが、それ以上背景距離が大きくなるとボケが大きくなります。
計算方法
被写体の人間をAPS-Cの横位置で高さ一杯に写す場合、被写体の身長を160cm,APS-Cの素子サイズは23mm×15mmから、その比 r=0.0093(=15/1600)。被写体距離sは、焦点距離fを用いて次のように書けます。
また、ボケ量δと背景距離Dfは次のように書けます。ただし、FはレンズのF値。
上記rが一定値となるようsとfを変化させると上のグラフが書けます。
さて、上の式をもう少し変形してみます。
(rは一定)を使うと、
となります。を大きくしていくと
となります。つまりの大きいところではが大きいほど大きくボケます。
まとめ
明るい広角と暗い望遠のどちらがボケるか計算し、以下が分かりました。