記憶と記録

見えたことは事実ではなく自分というフィルタを通した記憶であり、さらに記憶は記録で上書きされる。写真とカメラ関係のブログです。

AIが人間から仕事を奪い、高機能カメラが人間からオリジナリティを奪う

 AI(人工知能)が人から仕事を奪うとの懸念があります。同様にカメラが高機能になると、カメラがカメラマンのオリジナリティを奪うのではないかと思っています。

 カメラが高機能になるほど、カメラマンは作業をカメラ任せにすることが可能となり、これを突き詰めるとカメラマンの存在はひどく薄いものになりそうです。

 超高機能なカメラが出現した時、カメラマンの個性はどこに行くのでしょうか?

 

 ソニーのα7 IIIの瞳AF機能は強力で、動き回る人を正確にトラッキングし続けます。しかも秒10コマの連射中でもAFが追従していく。

 下の写真は踊るバレエダンサーをα7 IIIで撮影したもの。秒10コマで連射していると、シャッターチャンスを狙っている意識が消え、動画的に記録している気分が増す。狙って撮るというより、たくさん撮って後から選べばよい。その方が良い絵が残る確率は増えるが、そこにカメラマンの個性は無い。

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 下はCP+2018のソニーブースのフラッシュHVL-F60RMの体験コーナで撮影したもの。いわゆるセットアップで、背景の小物やフラッシュの配置をしっかり絵になるように用意して撮影したもの。表情はモデルさんが自ら作ってくれるので、私はシャッターを押しているだけ。

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 カメラが、AF・階調・トリミング・シーン検出等の機能を発達させていくたびに、カメラマンは楽ができるようになってきた。それを突き詰めたときのカメラマンの価値は何だろう?それはAIが実現したときの人間の価値と同じなのだろうと思う。