記憶と記録

見えたことは事実ではなく自分というフィルタを通した記憶であり、さらに記憶は記録で上書きされる。写真とカメラ関係のブログです。

SAMYANG f2.0 12mm NCS CSの感想:解像度が高く、レンズの造りも良いレンズ

 広角レンズが欲しくなり、SAMYANG f2.0 12mm NCS CS(富士フィルム用)を買いました。焦点距離12mm(35mm換算で18mm)と今まで使ったことのない広角さに、ワクワクします*1

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SAMYANG f2.0 12mm NCS CS

 

何故このレンズを選んだの?

 富士フィルムのXマウントに対応した広角レンズの中で、3つの条件に合うものを探すと、このレンズしかありませんでした。

  • 写りが良くて
  • 軽くて、小さい
  • 造りが良い 

 

 まず写りの良さに関しては、LensTipsによるとかなり解像度が高く、例えば、XF14mmF2.8 RFujinon XF 10-24 mm f/4R OISよりも良い結果を出しています。

 また、歪に関しても優秀で高価(約10万円)なCarl Zeiss 12mm F2.8よりも良い(LensTipsの記事を簡単に和訳すると、「このレンズの歪は-1.88%と、この12mmという焦点距離を考えると非の打ち所がない。例えば、同じ画角の高価なレンズであるZeiss 12mm f.28の歪は-2.54%である。)。

 No matter whether you use RAW or JPEG files, the distortion remains the same, amounting to -1.88%. Taking into account the significant angle of view, offered by the lens, it is a value beyond reproach - especially if you compare it to the result of an expensive Zeiss 2.8/12 which provides the same angle of view and yet has -2.54% distortion level on RAW files.
LensTip.com より)

 

 次に重さ。このレンズの重さは260gと軽い。愛用のXF35mm F1.4 R(重さ187g)と同じくらい。大きさも、だいたい同じくらい。

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左:XF 35mm f1.4 R、右:SAMYANG f2.0 12mm NCS CS

 

 造りの良さについては、主観的な評価しかできませんが、マウント部は金属製で、フォーカスリングを回した感じはしっかり重さがあり、造りが良い。また、絞りリングはクリック感があり、これも良いです。

 また、このレンズは、保護フィルタを付けることができます。これも嬉しい(レンズ前面が出目金になっていてフィルタをつけられないレンズも、他にはあります)。

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Fujifilm X-T2に付けた様子。赤いラインがカッコいい

 

 

マニュアルフォーカスってどうなの?

 このレンズを買う前に心配していたのは、オートフォーカスが使えない事。マニュアルフォーカスで撮ることになるのですが、私の腕で上手に合わせることができるだろうかと心配していました。

 実際にレンズを付けて撮ってみると、楽勝でした。

 焦点距離12mmだと、被写界深度が深く、絞りを少し絞ればパンフォーカス*2になるので、むしろフォーカスリングを触ることが少ないくらいです。

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手前から奥までピントが合う

 

カメラ設定

  このレンズを富士フィルムX-T2で使用する場合のカメラ設定を書いておきます。

  • フォーカスモード切換レバーをMに設定します。
  • カメラの設定画面(フォーカス設定 > MFアシスト)で、フォーカスピーキングをONにします。
  • レンズの情報をカメラに設定(撮影メニュー(撮影設定)>マウントアダプター設定)します。次の3つが設定できます。焦点距離だけ設定しておくと良いでしょう。
    • 焦点距離(EXTIFに反映されるので、後で写真を整理するとき楽です)
    • 歪曲収差補正(お好みに応じて)
    • 色シェーディング補正(このレンズでは不要だと思います)
    • 周辺光量補正(お好みに応じて)

 

ところでSAMYANGとは?

 韓国の会社で、カメラやビデオカムのサードパーティー性レンズを作っている会社です。Wikipediaによると従業員数150人と、かなり小さい会社です(ちなみに日本の交換レンズメーカのシグマが従業員1700人、タムロンが4700人)。

 

外箱(ご参考)

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外箱

 

撮った写真

 いくつかこのレンズで撮った写真を貼っておきます。カメラは富士フィルムX-T2.

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このレンズで撮った他の写真は、【SAMYANG f2.0 12mm NCS CSの写真】から見ることができます。宜しければこちらもどうぞ。

まとめ

 SAMYANG f2.0 12mm NCS CSを買いました。

 良く写ります。解像度が高くカリカリに写ります。また12mmという焦点距離は異次元の広さでワクワクします。

 お勧めです。

 

補足1

 機種別レンズラボのデータをAmazonで買って読んでいます。(安いのに)面白いです。

 絞りf5.6で解像度が最大に達するのですが、絞り開放でも解像度はかなり高いことが分かります。優秀なレンズです。

 一方で、周辺光量落ちは絞っても残ることが分かります。ですので、気になる場合はLightroom等で補正するのが良いでしょう。

 

補足2

 APS-Cサイズで使える焦点距離12mmのレンズはいくつかあります。これらを比較すると、どれがお得なのでしょう?

 Pergear 12mm F2 for Sony E mount test/review on Sony Alpha Blogによると、解像度はSamyangがPergearよりも良いようです。このサイトでは、6種類のレンズの比較をしています。

  • Pergear 12mm F2,
  • Samyang 12mm F2 NCS CS,
  • 7 Artisans 12mm F2.8
  • Meike 12mm F2.8,
  • Zeiss 12mm F2.8 Touit,
  • Dorr 12mm F7.4

夫々の解像度を比較した表が以下です。Zeissが一番良くて、Samyangが2番、Pergerarが3番といった具合です。

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焦点距離12mmの比較
Pergear 12mm F2 for Sony E mount test/review on Sony Alpha Blogより)

 

*1:ちなみに、このレンズを魚眼レンズと思っている人をネット上で見かけますが、魚眼ではありません。

*2:手前から奥まで全てにピントが合う状態。