記憶と記録

見えたことは事実ではなく自分というフィルタを通した記憶であり、さらに記憶は記録で上書きされる。写真とカメラ関係のブログです。

天城越え

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道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨脚(あまあし)が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓(ふもと)から私を追って来た。
私は二十歳、高等学校の制帽をかぶり、紺飛白(こんがすり)の着物に袴(はかま)をはき、学生カバンを肩にかけていた。

(「伊豆の踊子」(川端康成)より)

 

隠しきれない移り香が

いつしかあなたにしみついた

誰かに盗られるくらいなら

あなたを殺していいですか

寝乱れて隠れ宿

 (「天城越え」(石川さゆり)より)

 

何かと有名な天城山、そこを源流とするのが狩野川。大きく蛇行しているため氾濫の起こりやすい川でもある。

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狩野川

 

 狩野川を眺めていると、源流の天城山、そして天城越えに思いを馳せてしまう。「伊豆の踊子」の未熟で切ない恋に比べて、「天城越え」の大人の欲深い愛の対比が、僕を混乱させる。

 あなたは、どちらを選ぶ?

 

使用機材

Nikon COOLPIX S9900