智恵子は東京に空が無いといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切つても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に
毎日出てゐる青い空が
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。
(智恵子抄 「あどけない話」より)
東京には空が無いと言う、あたたら山の上に毎日出ている青い空を、夏休みに見に行った。
車で小名浜に行く。海の駅「いわき・ら・ら・ミュウ」が目当てだ。台風7号が近づいているせいで雲は多いが、空は青い。福島の空とは綺麗なものだと感心する。
ここで時間を過ごした後、小名浜オーシャンホテルへ向かう。日没が近づくつれて雲は広がるが、赤紫色の夕焼けが美しい。
翌朝は、会津若松へ移動する。途中で道の駅猪苗代に寄り、安達太良山を眺める。なるほど空が広い。広い空に向かって雲が湧き上がる様も迫力がある。
その後、猪苗代湖に寄る。猪苗代湖は湖面の標高514mという日本有数の高地にある湖。それだけに空が広い。
会津若松で一泊した後、会津藩の城である鶴ヶ城の天守閣に上る。
空が広い。この空と比べては東京には空が無いと言われても仕方ないと思う。智恵子のほんとの空を十分見たので帰ろうと車で会津美里を走っていると、この旅で一番の空が広がった。
まとめ
ほんとの空を見に、福島県に行った。福島の空は広かった。
東京に空が無いと智恵子は言ったが、福島の空は広く東京には空が無いのかもしれないと思った。
広い空を見た今回の旅はご機嫌だった。