ニコンD90を愛用しています、10年以上前のカメラ。進化の速いデジタルカメラ業界なのに、D90を使い続けている理由については別エントリに書きました(「私が今でもニコンD90を使い続ける理由」)。
写真の画質は、カメラの画像処理エンジンと撮像素子の二つ性能で決まります。私は、普段RAW現像をしており、カメラの画像処理エンジンの性能は関係ありません。撮像素子の性能だけが大切です。
今回は、RAW現像でどの程度ノイズが消えるか実例を交えて紹介します。
原画像
D90でISO6400で撮った画像が以下。撮像素子の性能を見るためにRAWをLightroomでゼロ設定にしてJPEGにしています(カメラでJPEG化すると、ノイズ軽減やシャープ化処理を行ってしまうため)。
どうでしょう?高感度ノイズは分かりますでしょうか?
スマートフォンで見ている人は、画面が小さくてノイズをみつけられないと思います。27インチ以上の大画面ディスプレイで見れば、中央上部の明るめの部分にノイズを感じるでしょう。
ノイズ削減
画像処理でノイズは削減できます。新しいカメラが発売されたとき、”新型画像処理エンジンにより画質が向上”と謳われるのは画像処理のノイズ削減が巧みになるためです。
私は、画像処理ソフトLightroomで写真を仕上げています。上の写真がどれくらい仕上がるか試してみます。ノイズ削減の輝度ノイズは適用量30、カラーは15で処理したのが、下の写真です。
どうでしょう?ノイズを感じる部分は全く無くなりました。
参考までに拡大画像で比較してみます(本当は拡大画像なんて意味ないのですけれど、、)。すっかりノイズは取り除かれています。
仕上げ
写真をブログに貼る際には、写真の色を自分好みに修正しています。今回も色を修正してみます。色だけでなく、敢えて粒状ノイズを加えたり、周辺減光を加えたりしています。
どうでしょう?ノイズの気になるところはありますでしょうか?粒状ノイズを後乗せしているので、オリジナルか狙いで加えたものか分かりづらいかもしれません。
まとめ
高感度ノイズは画像処理で消せます。新しいカメラは画像処理エンジンが強力なため上手にノイズを消します。ところで、私のようにRAW現像をする人間にとっては、画像処理をパソコンで行うため、かなり強力にノイズを消すことができます。
カメラメーカの作った写真の色が好みではないため、自分の色を作るためRAW現像をするのですが、その過程でノイズは消えてしまいます。10年以上前のカメラでISO6400で撮った画像もブログ用途には問題なしです。
補足
写真のジャンルには、スナップ、ポートレート、風景があります。今回はスナップ写真をサンプルにノイズを消しました。他のジャンルのノイズについても考えてみましょう。
ポートレート写真は、ノイズを消しやすいジャンルです。理由は二つ。(1)光をコントロールできる分野であるためISO感度を低く設定した撮影が可能であるため。ストロボやLEDライト、ソフトボックス、レフ版など光を調整する機材を使って撮影するジャンルですし、さらにシャッター速度を上げることもありません。また必要なら三脚を立てることもできます。このようにポートレートではISO感度を高く設定する必要がありません。(2)女性の肌をきれいに表現するため、あまりシャープに仕上げません。むしろ肌の部分はシャープネスを下げます。目だけくっきり写れば良いです。ですからポートレートは、ノイズ削減処理を強くかけることができます。
風景写真は、細部のテクスチャにこだわるジャンルです。そのため、ノイズ削減処理を強くかけることはできません。ただ、もともと三脚を立てて撮影するのでISO感度を下げてもOKな場合が多い。ただ、水流の動きを止めたいときがあり、この場合はシャッター速度を上げます。またF値を絞って撮影するため、この場合はISO感度を高くします。風景写真を撮る人はISO感度を高くしてもノイズの出ないカメラを買うしか方法はません。