はじめに
富士フイルムの新しいレンズXC 13‑33mm F3.5‑6.3 OISの描写が良好で、海外レビューでも解像度が高いと評価されています。そこで、実際に自分でこのレンズの解像力を実測し、XF 35mm F1.4 Rと比較しました。
結果(概略)
絞りf8で比較したところ、XC 13‑33mm F3.5‑6.3 OIS(33mm)はXF 35mm F1.4 R(35mm)とほぼ同等の解像力を示しました。コントラストはXF35mmのほうがわずかに高い傾向が見られました。
測定方法
レンズの解像度には一般に次の性質があります。
- 画面端の解像力は中央より劣る。
- 開放絞りの解像力は絞ったときより劣る。 一般に解像力はF8付近で最大になります。
比較は解像チャートの左上部と中央部の2箇所で行いました。使用機材と設定は以下の通りです。
- カメラ:富士フイルム X‑T30 III
- ISO感度:160(固定)
- 測定手順:絞り値と焦点距離を変え、それぞれのレンズで同一条件下にて撮影し、チャートの中央と左上を解析しました。
測定した組み合わせは次の通りです。
- XC 13‑33mm F3.5‑6.3 OIS:焦点距離33mm、絞り f6.3(開放)、f8
- XF 35mm F1.4 R:焦点距離35mm、絞り f1.4(開放)、f8
測定結果
XC13-33mmF3.5-6.3 OIS
焦点距離33mm, f6.3


焦点距離33mm, f8


XF35mmF1.4 R
焦点距離35mm, f1.4


焦点距離35mm, f8


考察
XF 35mm F1.4 R(f1.4)では、左上部の解像力が低下する傾向が確認できました。これは開放付近での描写が柔らかくなる特性によるものと考えられます。一方、XC 13‑33mm F3.5‑6.3 OIS(33mm, f6.3)は開放でも比較的高い解像力を示しました。
f8 中央部の比較では、両レンズの解像力はほぼ同等でしたが、コントラストはXF 35mm F1.4 Rの方がやや高いことが分かりました。
f8 左上部でも同様に解像力はほぼ同等で、コントラストはXF35mmがわずかに優れていました。
これらの結果は、画面中心・周辺での解像特性と絞りによる変化を踏まえると妥当な傾向です。XCレンズは設計上のコストパフォーマンスが高く、実用域での解像力が優れていることが示唆されます。
データ再掲:f8, 中央部分
両者を比べると、解像力はほぼ同じですが、コントラストはXF35mmF1.4R の方が高いことが分かります。


データ再掲:f8, 左上部分
両者を比べると、解像力はほぼ同じですが、コントラストはXF35mmF1.4R の方が高いことが分かります。


まとめ
XC 13‑33mm F3.5‑6.3 OIS(33mm)とXF 35mm F1.4 R(35mm)を比較した結果、絞り f8 における解像力はほぼ同等であることが分かりました。コントラストはXF35mmの方がわずかに高い傾向がありました。実用的な画質を重視する場面では、XCレンズが非常にコストパフォーマンスに優れる選択肢であると言えます。
参考資料:MTF曲線(富士フィルム製品ページより)
MTF曲線を見るとXC 13-33㎜ F3.5-6の解像力の高さが際立っています。
XC 13-33㎜ F3.5-6

XF 35mm F1.4 R

補足
XF 35mm F1.4 Rは「柔らかい描写」と評されることが多く、これは開放(f1.4)での解像力がf8に比べて低くなるためと考えられます。解像力の低さは必ずしも欠点ではなく、レンズ固有の描写特性、いわゆる「レンズの味」として評価されることが多い点も留意してください。
使用機材