久しぶりにスポーツを撮りました。その時に思ったことを言語化しておきます。
高円宮杯フェンシングワールドカップを撮りに行きました。世界から有力選手が東京に集まる大会で、これを撮ることができるなんて気持ちが高揚します。フェンシングを撮るのは初めてで少しドキドキです。
カメラの設定
スポーツ撮影時の定番のカメラ設定は、次のようになります。
- シャッター速度 1/500秒
- 絞りは、開放より1段絞る
- ISO感度、上記の設定に合わせて適正露出に設定
- AFモードは、AF-C
- 連射モード(なるべく高速)
- 画質はJPEG(RAWは使わない)
選手の動きを止めて撮るシャッター速度の目安は1/500秒。絵をシャープに仕上げるため、絞りはレンズの開放値より1段絞ります。本当は2段(絞り値を開放の2倍の値)絞れば理想的です。ISO感度は、シャッター速度と絞りを決めてから、適正露出となるように決めます。私は、シャッター速度1/500秒、絞り f 3.5、ISO感度 1250で撮りました。
今回は屋内の撮影であったため、ホワイトバランス、シャッター速度、絞り、ISO感度はマニュアル設定にしました。オートで撮ると明るさや色合いが背景によって変化しますが、マニュアル撮影では一定のパラメータで撮り続けることができ、後処理の画像レタッチがとても楽になります。
スポーツ撮影では、被写体の動きが読めないため、連射が必須です。またカメラのバッファがフルになるまでの連射枚数を増やすために、RAWでなくJPEGで撮ります。
撮影ポジションの選択
スポーツを撮るときは、まずはそのスポーツのことを学びます。
フェンシングは、ピストと呼ばれる幅2メートル長さ14メートルの競技場で選手が試合を行います。選手は、ピストの上を前後に動いていくため、バスケットボールのように縦横無尽に動き回るわけではありません。このため、ピストのどこに撮影場所を置くかで撮れる絵が決まることになります。今回は、3つのパターンで撮影場所を置きました。
- ピストに対して、縦位置
- ピストに対して、横位置
- ピストに対して、斜め位置
カッコいい瞬間を探す
スポーツ種目毎にカッコいい瞬間があります。バスケットボールならゴールシーン、テニスならサービスを打つ瞬間、サッカーならドリブルで相手をかわすシーンなど。写真を撮る前に試合をよく観察してどんな瞬間がカッコいいか探します。
フェンシングの試合を見ていると、選手が体を伸ばして攻撃しているとき、試合前に剣を構えるときがカッコいいと思いました。
撮れた写真
後は、カッコいい瞬間を求めて選手を狙うだけです。いくつか狙い通りに撮れた写真を貼ります。
余韻
スポーツ写真はプレー中の瞬間(動)を狙うものだと思いますが、プレーの合間の余韻(静)を狙うと趣のある絵になります。このときはレタッチで色を大胆にいじってイメージに合わせた絵にしていきましょう。
下の写真は、プレーの合間のリラックスした選手を撮ったもの。
また、試合後に放置されたマスクがカッコ良くて、撮ったのが下の写真です。
思いがけない発見
会場で直接試合を見ると、思いがけない発見がいくつかありました。
選手がマスクを何度も脱いでいました。視界が妨げられるからでしょうか、マスクを頭の上まで上げ、相手の様子をじっくり見てコンセントレーションを上げていきます。これがカッコいい。
まとめ
フェンシングをモチーフにスポーツの撮り方を記しました。
カメラの設定には定番がありますので、設定で悩むことは無いでしょう。屋内の撮影では、オートではなくてマニュアル設定で撮るとパラメータが動かず、後の画像レタッチが楽です。レタッチのパラメータを決めたら、後はすべての画像にコピーすればOKです。
会場に着いたら撮影場所探しをします。撮影場所によって撮れる絵が変わってきます。
そのスポーツに詳しくなければ、まずは試合を見て、カッコいいと思うシーンを探します。カッコいいシーンが見つかれば、後はそれを狙ってとりましょう。
おまけ
シャッター速度 1/500秒で撮ると選手の動きがピタリと止まります。
今回は、ずっと一眼レフで撮っていたのですが、それとは別に手元のコンパクトデジカメでも数枚撮りました。これはシャッター速度 1/30秒で撮れたため(コンデジはパラメータをオートで決めてしまう。。。)、選手は大きくぶれています。これも躍動感があって好きです。
使用機材
NIKON D90