カメラはどんどん進化してきた。画質的には、ノイズが減り、ダイナミックレンジが広がり、周辺減光が少なくなってきている。その進化は、ユーザが必要とする画質を越えてきている。イノベーションのジレンマというやつだ。
カメラーメーカー各社がフルサイズミラーレスに注力している。富士フィルムはその上の中判サイズのセンサーを搭載し1億画素を超えるカメラGFX100を今月発売する。
レタッチをするとき、写真の画質を下げるような修整をよくする。具体的には、
- ダイナミックレンジを狭くして(明部と暗部を潰して)
- ノイズを後乗せして
- ホワイトバランスを崩して
- 周辺減光を増やす
という補正をよくする。
せっかくカメラメーカが技術を磨いて広げたダイナミックレンジを狭くするのはどうなんだろうかと思うときもあるが、好みの絵を目指すとそうなる。
もちろん、風景写真を撮る人など一部のユーザはもっともっと高画質を必要としているし、そのためには高額なカメラを買うだろう。メーカーにとっては高級機ほど利益率が高いし、高級機を必要とするユーザが存在するからそのセグメントに新機種を投入する。しかし、そういったユーザは確実に減っていき利益総額は減っていく。教科書に載るような“イノベーションのジレンマ”状態である。