私は半年ほど前から富士フィルムのカメラX-T2を使っています。富士フィルムのカメラを使っていていると、写真の色に敏感になってきます。
富士フィルムのカメラには、フィルムシミュレーションと呼ぶ絵作りの設定があります。ニコンのピクチャーコントロールやキヤノンのピクチャースタイルと同種の機能です。ただ、富士フィルムのそれが特徴的なのは、絵作りを変えるふり幅が大きいこと。
下の2枚は、フィルムシミュレーションの設定を変えたもの。空の色が全然違います(詳しく言えば、下の方が彩度が低めでさらに緑に寄った青になっています)。
これだけ絵作りが変わると、「どう使い分けるの?」って思いませんか?
私は、伝えたいイメージで使い分けています。
上の写真の空の色は、夏の空なんですよね。下の写真は、冬の空。つまり、夏休みに清々しい空を見たというイメージだと上の写真にしますし、冬に空気が冷えて凛とした空を見たというイメージだと下です。
季節以外にも色からイメージするものはあります。例えば天気を考えると、上の写真は目いっぱい晴れているイメージ。それに対して下の写真は薄曇りのイメージです。
ちなみに、グラフィックデザイナーはフォントでイメージを伝えます。筑紫明朝体は女性らしさ、ヒラノギ角ゴシック体は力強さ・男らしさなど。
写真は、フォント以上にたくさんのイメージを伝えます。色やコントラストが変われば、伝わるイメージも変わります。富士フィルムのカメラを使っていると、色について考える機会が増えます。
井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る。
井戸から見える僅かな空を見続けて、空の色の変化を見分けることも、写真撮りには大切なのです。