記憶と記録

見えたことは事実ではなく自分というフィルタを通した記憶であり、さらに記憶は記録で上書きされる。写真とカメラ関係のブログです。

カラーグレーディングと、Love Scape

 年に数回カメラ雑誌を買うことがあります。特集が気になったときや、掲載されている写真が気に入ったときに。

 デジタルカメラマガジンの今月号(2020年7月号)は、その両方があって買いました。

 

 特集が「カラグレで行こう!」と題して、写真の色を演出するテクニックについて詳しく書いています。なかなかの力の入った特集で、分量にして60ページもあります。最近の写真はフィルム風にレタッチするのが流行りですが、そのフィルム風の色を作る方法も書いてあるし、それ以外の色の作り方もたくさん書いてあります。

 とても勉強になったので、自分なりにメモを書いておきます。

  • 写真の中で、重要な色というものがあって、それは目立つ色であったり、面積の大きな部分を占める色。例えば、空、植物、壁の色。
  • 青、緑、オレンジがカラーグレーディングをするターゲットの色になりがち。
  • 青色は緑に寄せると、ノスタルジックな印象になる。
  • 緑色は青に寄せると、爽やかな印象になる。
  • オレンジは、赤に寄せたり、黄色に寄せたり、彩度を上げたり落としたり、お好きなように。
  • 色をいじっていると、思わぬ部分が不自然になるときがある。人の顔の色とか唇の色など。各種パラメータを駆使して、思わぬ部分が不自然にならないようにしながら狙った部分の色だけを変えるのがテクニック。

 その時代時代に流行りの色やトーンがありますから、カラーグレーディングをやり過ぎると、時間が経って後で見返したときに、古臭い印象の写真になりそうですけどね。例えば、水谷豊さんの「相棒」って、特徴的な色遣いをしていますよね。全体的に暗くて青っぽい絵作りで、人の肌がオレンジで少し彩度が高い。今見ると、時代を感じます。

 

 

 掲載写真の方は、荻原俊哉さんの「Love Scape」から9ページ(表紙含む)に渡って写真が掲載されています。これが良い。すごく良い。表紙の写真が、可愛くて心地よくて特に好きです(下にリンクを貼っておきます)。そして、9ページに渡って色々な写真を見ていくと、複数の写真をつないで一つのメッセージを発していることが分かります。こういうのを「テーマ」と呼ぶのかと、学びがあります。 

デジタルカメラマガジン 2020年7月号[雑誌]

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  • 発売日: 2020/06/19
  • メディア: Kindle版