記憶と記録

見えたことは事実ではなく自分というフィルタを通した記憶であり、さらに記憶は記録で上書きされる。写真とカメラ関係のブログです。

Viltrox AF 85/1.8 II XFの感想とレビュー

 中国メーカーのレンズViltrox AF 85/1.8 II XF(Viltrox AF 85mm F1.8)を買いました。良いレンズです。お勧めです。写りの良さに加えて、オートフォーカス・顔認識AF・瞳AFが使えるのも魅力です。

 このレンズを選んだ理由と、実際に使ったレビュー・感想を書いていきます。

 また、理屈は要らない、どんな写真が撮れるか早く見たいという方は、最後の画像サンプルを見てください。

 

目次

 

 Viltorox AF 85/1.8 II XFを選んだ理由

中望遠単焦点レンズが欲しい

 私は、普段は富士フィルムのX-T2にXF35mm F1.4 Rを使っています。焦点距離50mm(35mm換算)と使い勝手が良く、写りも良いので満足していますが、もう少し焦点距離の長いレンズで撮りたいシーンが出てきました。物撮りや花の写真など。 

 

候補レンズ一覧

  そこで焦点距離90mm程度で、オートフォーカスの使えるレンズを探しました。中望遠レンズでは、パンフォーカスで撮るわけにいかないので、オートフォーカスは私にとって必須です。

 そうしてリストアップしたのが以下の3本のレンズです。 

 

Xマウントの中望遠単焦点レンズ(オートフォーカス有)
レンズ メーカー 焦点距離 最小F値 重量 手振れ補正 防塵防滴 最短撮影距離 フィルタ径 価格
XF 80㎜F2.8 R LM OIS WR Macro 富士フィルム 80mm F2.8 750g
25cm
62mm
114,000円
XF 90mm F2 R LM WR 富士フィルム 90mm F2.0 540g
×
60cm
62mm
100,000円
AF 85/1.8 II XF Viltrox 85mm F1.8 492g
×
×
80cm
72mm
52,000円

価格は、価格コム調べ(2021年7月2日時点)

 

 上の表で3本のレンズを比べると、XF 80㎜F2.8 R LM OIS WR Macroは重く(重量750gは私には重いです)、価格も高いため、候補から外します。

 

性能評価結果を確認

 残る2本のレンズ(Fujifilm XF 90mm F2 R LM WRと ViltroxAF 85/1.8 II XF)の性能を評価サイトLensTipsで確認します。

 

性能比較(LensTips調べ)
レンズ 解像度 色収差 歪み 周辺減光
Fujifilm XF 90mm F2 R LM WR 79 lpmm(center)
55 lpmm(edge)
0.03% +0.48% -0.81EV(f2.0時)
Viltrox AF 85/1.8 II XF 65 lpmm(center)
55 lpmm(center)
0.07% +0.88% -0.95EV(f1.8時)

ただし、Viltroxは、旧型レンズ(Viltrox PFU RBMH 85 mm f/1.8 STM)の評価結果を記載

 

 結果は、XF 90mm F2 R LM WRの圧勝です。LensTipsの総合評価を見ると、このレンズは性能に欠点は無く、欠点として挙げるとすれば価格が高いことぐらい、とあります。凄いレンズです。

 お金があれば、価格差5万円を気にせずXF 90㎜ F2 R LM WRを買うのですが、そういうわけにもいかないので、もう少しViltroxの性能について考えてみましょう。

 さて、Viltroxの解像度65 lpmmって悪いのでしょうか? 例えば、ズームレンズのFujifilm XF 16-80mm F4 R OIS WRの解像度が59 lpmm(center), 48 lpmm(edge)ですから(焦点距離80mmの場合)、Viltroxの方が高性能です。

 

 このようにViltroxの性能が案外良い理由は、Viltrox AF 85/1.8 IIが、そもそもフルサイズでも使える設計になっているためです。つまり、イメージサークルが大きく、富士フィルムカメラ(APS-C)の場合は、その真ん中部分の美味しいところしか使わないためです。実際、Viltrox AF 85/1.8 IIはソニーEマウント版とニコンZマウント版も製品化されています。でも、フルサイズ機ではエッジの画質はあまり良くありません。

 

 こう考えると、Viltrox AF 85/1.8 II XFが魅力的に思えてきて、買うことにしました。

 

買って使った感想

外観

 外観は、カッコいいです。フィルタ径72mmと大きいので、X-T2よりも筐体の大きいX-H1の方が似合うかもしれません。

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Vitrox AF 85/1.8 II XF外観

 

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X-T2に取り付けた様子(上から)

 

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X-T2に取り付けた様子(前から)

質感

 質感は、とても良いです。金属筐体のレンズは持つと塊感があって、所有欲が満たされます。また、ピンリングを回すと手応えがあって、好みです。

 ガタつきはどこにもなく、build qualityは高いです。

 

機能性

 このレンズには絞り環がありません。そのため、絞りの変更はカメラの前ダイヤルで行います。私は、X-T2の前ダイヤルをこのレンズで初めて使いました。

 絞りをオートモードにするには、前ダイヤルを右回りに f16を超えて回します。オートモードの時に前ダイヤルを左回りに回すとオートモードが解除されます。これも簡単で良いです。

 レンズ付属のフードはプラスチック製ですが、レンズにカッチリと止まり落ちません。使っていて気持ちいいです。

 オートフォーカスは、速いです。爆速ではありませんが、XF 35㎜ F1.4 Rよりは速いと思います。

 また、撮影した写真のEXTIF情報にレンズ名称や絞り値が書き込まれるので、便利です。

 

ファームアップ

 このレンズはUSB端子を持っていて、PCにつないでファームアップができます。私の買ったレンズのファームウェアはバージョン1.06だったので、最新のバージョン1.09にファームアップしました。バージョン1.06ではオートフォーカスのモーターがカタカタ鳴っていたのが、バージョン1.09にすると鳴らなくなりました。

 ファームウエアは Viltorox社のホームページから取得できます。レンズをPCにつなぐとストレージに見えるので、取得したファームウエアの拡張子 .dat のファイルをレンズにコピーするだけです。

 

画像サンプル

 ご参考までに、私がこのレンズで撮影した写真を貼っておきます。カメラは富士フィルムのX-T2を使っています(作例と呼ぶのは小恥ずかしいので画像サンプルです)。

 他の写真は【Viltrox 85mm F1.8で撮った写真】から見ることができます。

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1/500sec f/1.8 ISO200: 絞り開放で撮った、質感に文句なし

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1/500sec f/2.8 ISO 200: 雨のしっとり感

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1/450sec f/1.8 ISO200: 明るめの露出で撮った、絞り開放ならではの分離感が良い

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1/250sec f/1.8 ISO800, 玉ボケを狙った

 

1/250sec f/8.0 ISO800, 明るく鮮やかにも撮れる