カメラのレンズを、明るい・暗いと表現することがあります。また、明るいレンズをF値が小さいと言ったりもします。そして、明るいレンズはよくボケるとも言います。この、明るい=F値が小さい=よくボケるという関係を記した記事は、アクセスが多く、みんな関心が高いようです。(そもそも”F値”という言葉が分かりづらいことも、みんなが検索する原因でしょう。F値は、英語では f-number と言い、fはfocal(焦点)の略です。これが分かりにくいのは物理量ではなく、人間が勝手に定義した言葉だからです。)
ただし、上の記事は正確に書いたため、難しい内容になっています。そこで、ここでは、すごく簡単に書いてみます。
下は、レンズを簡単に書いた図です。左に被写体(人物)があって、その右にレンズ、その右に撮像面(撮像素子)があります。
レンズの直径が有効口径、レンズと撮像面との距離が焦点距離です。
被写体にピントが合っているので、被写体から出た光(緑色の線)は、撮像面に1点に集まります。
下の図は、被写体(人物)にピントが合っているとき、その後ろにあるもの(犬)がボケる様子を書いています。犬から出た光(黄色)は撮像面より後ろで焦点を結びます。そのため、撮像面では1点ではなく広がりを持ちます。これがボケです。
もしレンズが大きいと、ボケの大きさが大きくなることは、黄色の線から直感的に分かると思います。つまり、撮像面での黄色い角が開くため、ボケが大きくなります。
また、もし焦点距離が短くなっても、同様にボケの大きくなることも、黄色の三角形の様子から分かると思います。
さて、F値とは、F値=焦点距離÷有効口径 で計算した値です。特に物理的な意味があるわけではないので分かりづらいのですが、ボケ量を考えるうえで便利な値です。F値が同じレンズは、有効口径の大小や焦点距離の大小に関係なく、撮像面での黄色の角度が同じになります(三角形の相似を思い出してください)。
もし、焦点距離が同じで有効口径が大きくなると(F値が小さくなると)、黄色の角度が開いてボケ量が大きくなります。つまり、F値が小さい=有効口径が大きい=よくボケる、という関係が分かります。
次に、レンズの明るさについて考えます。
焦点距離が同じであれば、直径の大きいレンズと小さいレンズがあれば、大きいレンズがたくさん光を取り込めるて、明るい写真が撮れることは、直感で分かります。直径の大きいレンズはF値が小さいため、F値が小さい=明るい という関係になります。
まとめ
F値が小さいとよくボケる理由を書きました。またF値が小さいと明るい理由も書きました。
F値と明るさの関係を詳しく書いたものがあります。ご興味があればこちらもどうぞ。