記憶と記録

見えたことは事実ではなく自分というフィルタを通した記憶であり、さらに記憶は記録で上書きされる。写真とカメラ関係のブログです。

写真上達について。一発で解決するゴールデンハンマーはないが、練習するコツはある

youtu.be

 

 多くの広告写真を撮り、今は写真館を経営する鈴木心さんのYoutubeをよく見ます。

 他のYoutuberが”上手な人がやっているたった一つの方法”とか”あなたが失敗するたった一つの理由といったゴールデンハンマーを振り回して動画を作る中、まっとうなことを言う彼の動画は正攻法でありそれだけに実行が難しい。それは、ダイエットで「食べなければ痩せる」といったアドバイスに似ている。

 

 上の動画で、写真を撮る人を3つに分類している。

  1. カメラが好きな人
  2. 被写体が好きな人
  3. 撮ることが好きな人

被写体が好きな人は、どうしてその被写体が好きなのか?被写体のどこが好きなのか?そこを深く考えることが良い写真を撮ることにつながると言っている。とても正論だ。写真家の講演会を聞くと、例えばスナップ写真の名手 内田ユキオさんは「通行人の間隔が揃っているところ、足の先が上を向いているところ、街の灯りと通行人の服の色の組み合わせが素敵」などと熱く語る。また、動物写真家の岩合光昭さんも「猫は一番身近にいる野生」などと熱い。鉄道写真家の中井精也さんが鉄道の話を始めれば何時間でも話しそうだ。みんな被写体が好きで、その「好き」を熱く語る。

 僕たち素人にとって、これはなかなか難しい作業で、「どうしてその被写体が好きなのか?」を自分の言葉で言語化するのは結構な思考的努力が必要で、心理的負荷が高い。

 それでも、このしんどい作業をやることが、良い写真を撮るための近道なのだと再確認した。

 写真の上達に王道なし。