記憶と記録

見えたことは事実ではなく自分というフィルタを通した記憶であり、さらに記憶は記録で上書きされる。写真とカメラ関係のブログです。

富士フィルムのX-T2を使って、思うこと

 富士フィルムのX-T2を手に入れて遊んでいます。これまでと違うカメラを使うと、それらとの違いが分かり面白い。X-T2を使い始めて何を感じ、何を考えるようになったかをまとめます。

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 ファインダの大きさについて

 X-T2のファインダーは大きい。ファインダー倍率は0.77倍。私が普段使っているニコンD90は0.66倍で15%程大きいことになります。

 ファインダ倍率0.77倍が必要かというと、ここまで大きい必要は無い気がします。ファインダー倍率が大きいとマニュアルフォーカスの時はピントを合わせやすい。一方でAFのときは、ファインダが大きすぎて端の方を見落とがち。

 ファインダ倍率は大きければ大きいほど良い、というものではないことが分かりました。オールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズで遊ぶにはファインダ倍率は大きい方が良いです。

 

EVFについて

 OVFに慣れているとEVFは面白い。カメラの設定がファインダーの見え方に反映されるし、水平器など様々な情報が表示されるのも便利です。レスポンスも速くて動いているものを追いかけるのも困りません。一方で、電源OFFの時にファインダー画像が消えて何も見えなくなるのは、地味にびっくりします。OVFのときは、自分が電源OFFのままフレーミングの確認をしていることに気づきました。

 

フォーカスポイントの数について 

  X-T2は、AFのフォーカスポイントが325点あります。こんなにたくさんはいりません。動体を追いかけたいときにはいるのだろうなと想像はつきますが、スナップ撮影ではいりません。

 一方フォーカスエリアが画面の端の方まで選べるのは便利です。画面の中央でフォーカスを合わせてリフレーミングすれば中央一点フォーカスエリアでも撮れますけども、リフレーミングしなくて済むのはやはり便利。

 

AFの速度について

 ネットではAFが遅いと評判のXF 35mm F1.4を使っています。それでも、D90で使っているTAMRONの古いレンズと比べればずっと速いです。今のレンズは十分速い中で、速度を競っているのだと思いました。(十分速いと言ってもSONYのα7IIIのようにバスケットボール選手を瞳AFで追いかけるような芸当はできません。私の使い方ではこれで十分です。)

 

画素数について

 X-T2は2400万画素あります。私が使っているニコンD90が1200万画素、オリンパスE-PM2が1600万画素ですから、1.5倍~2倍に増えました。

 画素数が増えても画質は上がりませんでした。4Kディスプレイでも800万画素ですから、当たり前なのですが、解像感など画質は画素数アップの恩恵を受けないことが分かりました。このブログに至っては、400万画素程度に減らして写真をアップしていますので、高画素機を使ったからブログ写真の画質が変わるということはありませんでした。

 

シャッター音について

 ミラーが無い分、ミラーレス機はシャッター音が小さい。レストランで料理を撮るときには便利です。一方、D90のガッチャンというシャッター音は、あれはあれで気持ち良くて魅力的、撮っていてテンションが上がります。

 

色について

 富士フィルムだから色の良い写真だとは思いません。色については好みの問題ですね。ただ、富士フィルムのフィルムシミュレーション(プリセット)を見ていると、楽しい。色や階調について考えるきっかけになります。

 ニコンD90があっさりとした絵作りをしているのに対して、富士フィルムのX-T2は色々いじった絵作りをしてきます。この違いを考えることは良い刺激になります。緑色一つとっても、青色に寄せたり黄色に寄せたりしているようで、その違いを愉しむことがX-T2を使う特典なのだと思います。

 芦田氏: 例えば緑ですが、一口に緑と言ってもいろいろな緑があります。少し青みがかった方が緑はきれいに見えますが、そちらに合わせてしまうと芝生のちょっと黄色い感じが出てこなくなることにもなりますので、あまりどちらかの方向に寄せるというよりは、色相的にはニュートラルな方向に持ってきています。その方が細かい色の違いがちゃんと出ます。

 その上で、ベルビアはプロビアより少し青み、アスティアは黄色みという色味や彩度などでフィルムシミュレーションごとに個性を持たせて使い分けられるようにしています。

 青空はどちらかというと、ちょっとマゼンダ方向の方がきれいな青空のイメージになりますから、それを意識してチェックしています。彩度も上げすぎると飽和の問題がでてきますから、飽和しにくいような技術を入れています。

“富士フイルムならではの色”がある、その秘密を聞く  - ITmedia NEWS より)

 

おまけ

  X-T2は良いカメラです。今回は、その良さをアピールするというのでなく、これまで使ってきたカメラとの違いから考えた事を書いています。

 また、今回は書きませんでしたが、レンズXF 35mm F1.4はとても良いです。気に入っています。

お題「カメラ」