記憶と記録

見えたことは事実ではなく自分というフィルタを通した記憶であり、さらに記憶は記録で上書きされる。写真とカメラ関係のブログです。

X-Pro3が問うもの、「あなたは、画像チェックで何をしているの?」

fujifilm-x.com

  富士フィルムが思い切った。

  今度発売するX-Pro3は、背面液晶で画像チェックをさせないカメラだ。これに否定的な意見は多い。被写体を狙ってシャッターを切った後、背面液晶を見る人がほとんどだから。そんな中で、富士フィルムがその習慣を否定してきた。

  そもそも、あなたは、背面液晶で画像の何をチェックしているのか?と富士フィルムは問いかけている。

 

  もともと、背面液晶で撮影画像を確認できるという点は、フィルムカメラからデジタルカメラに移行する時期においては、デジタルカメラならではの利点とされていた。OFVを備えたデジタル一眼レフカメラでは、撮影パラメータを変えてもファインダーの見え方が変わらない(例えば、露出を上げてもファインダーから見える被写体は明るくならない)。だから、撮影後の画像チェックが必要だった。

さらに 時代が一眼レフカメラからミラーレスカメラに移って、ファインダーもOVFからEVFに変わった。すると、画像チェックもある程度OVFでできるようになった。

 

  ところで、パソコンで画像チェックをする際には、色管理されたディスプレイを使うことが前提になる。写真の見え方はディスプレイによって随分と変わるからだ。一方で、カメラの背面液晶は色管理されていない。その上、環境光の影響を受けるため撮影直後は画像チェックに適していない(明るい場所ではカメラの背面液晶が見づらいので、撮影時にはファインダーが必須という人は多いことを思い出そう)。

 さて、一般的に画像チェックの主な項目は、構図・色・明るさ・フォーカスだが、カメラの背面液晶で可能なのは構図と(拡大表示しての)フォーカスの確認くらいだ。ならば、EVFでやってはどうだろうか、と富士フィルムは考えたのだろう(EVFなら環境光の影響も受けない)。

 

まとめ

  X-Pro3を使って、富士フィルムは「あなたは、背面液晶の画像チェックで、何を確認しているの?」と問いかけている。画像の構図・色・明るさ・フォーカス(ボケ具合含む)の中で、撮影直後に確認できていることはなんだろう?それは、撮影直後に確認すべきことなのだろうか? 

 

追記

 X-Pro3で写真を撮って来ました。背面液晶を見ないで撮影を続けるというスタイルは、かなり大丈夫でした。すぐ慣れて違和感がない。

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