記憶と記録

見えたことは事実ではなく自分というフィルタを通した記憶であり、さらに記憶は記録で上書きされる。写真とカメラ関係のブログです。

KPIについて少し詳しく

 

 先日書いたKPIの記事に結構反響があったので、もう少し詳しく書いてみよう。実は、私は仕事でKPIの検討・設定をやっていたので割と詳しかったりする。

 

 KPIをネットで検索するとたくさんの情報がみつかる。それらの典型的なパターンは、

  • サイトでの売上Yを上げるために、サイト訪問者数y1と成約率y2のそれぞれに目標を設定する
    • サイト訪問者数y1を上げるために、新規訪問者数y11とリピーター数y12のそれぞれに目標を設定する。
      • 新規訪問者数y11を上げるために、SNSからの訪問者数y111と検索エンジンからの訪問者数y112のそれぞれに目標を設定する。
        • 。。。。。

こんな感じのことが書いてある。要するに、y=y1*y2 = y11*y12*y2 = y111*y112*y12*y2 = .....と分解せよと言う。(デュポン社が、俗に言うデュポンフォームラーで成功したせいで、こういうただ分解してKPIをやった感を書いたページが多いのだろう。)

 結構な数の会社(特に大企業)が、「今季の目標は、検索エンジンからの訪問者数y112を上げることだ」と部長が部下に言い、部下が「そんなことはずっとやってるよ、それでもできないんだよなぁ」と思いながら声に出せずにただ聞いていたりする。

 このように、具体的にどう行動すれば分からない目標をKPIとして設定しても、効果が上がらない。

 

 具体的な行動と結びついた値をKPIと設定するのがコツだ。例えば、SEO対策を施したページを毎月10ページ増やしていくのように。これなら(SEO対策の巧拙を別にすれば)行動すれば実現できる。

 もし、10ページというページ数の問題でなく、SEO対策の巧拙が問題であるならば、SEO対策の教育を受けに行くのが解決策だ。この場合、KPIにはならない。(SEO対策教育受講時間をKPIとして設定する人もいたけど、それは大企業病だ。KPIを設定しろという上からの指示に無理やり答えただけ。。)

 

 KPIで全てが解決できるわけではない。売上高を上げようにも売っている商品にニーズがない場合は、どうやってもうまくいかない。それでも、KPIを設定するの良いことだと思う。KPIを設定することは、活動をモデル化し、どこを頑張るのかを明確にする。すると、うまくいかないときに、活動をリファクタリングするのが容易になる。

 例えば、サイト訪問者数を増やすことと成約率を上げることは二律背反であるので、フォームラーを分解していったときにどちらを(サイト訪問者数増 or 成約率アップ)を狙うか決める必要がある。もしサイト訪問者増を狙って設定したKPIがうまくいかないとき、成約率アップに方針転換するといったリファクタリングが容易になる。

 

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PAKUTASOより