記憶と記録

見えたことは事実ではなく自分というフィルタを通した記憶であり、さらに記憶は記録で上書きされる。写真とカメラ関係のブログです。

写真展「本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語(東京都写真美術館)」を見てきました

 写真展「本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語(東京都写真美術館)」を見てきました。面白かった。

 この展示会は、二人(本橋誠一ロベール・ドアノー)の撮った写真を並べたもの。この二人に接点はなく、生きた時代も30年程ずれています。共通点は、写真を撮る目的と被写体に対する姿勢でしょう。

写真や映像は、相手に対する想いとイマジネーションだ。 ―― 本橋 成一
相手をこよなく愛してこそ、写真を撮ることが許されるのだ。 ―― ロベール・ドアノ

 

 展示の中に、本橋誠一がベラルーシ共和国とウクライナ共和国で撮った写真が24枚があります。2000年より少し前とつい最近撮られた写真には、厳寒の気候の中で木端で建てた粗末な家が写りこんでいて、その国の生活を知ることができます。日本では携帯が売れていた時代にこういう生活をしていることに驚きます。

 

 この写真展の中でお気に入りの一枚を選ぶとしたら、上の写真の炭鉱夫二人の写真が良かった。炭鉱というブラックな労働環境にも関わらず目に力があり、背筋も伸びています。仕事がつらいから拗ねるといった現代サラリーマンとは異なるメンタリティを感じます。