富士フィルムのカメライベント Fujifest Glocal 2019に行きました。
そのイベントで、プロカメラマンと一緒に歩くフォトウォークに参加させて頂きました。その中で、プロカメラマンが盛んに言っていたことが、「光をみつける」という言葉。これまで私はあまり意識したことがなかったので、「光をみつける」とは何なのか考えていきたいと思っています。この記事は、その第一弾です。
撮影用語って分かりづらい
撮影用語って分かりづらいと思いませんか?
カメラマンの発する言葉は、どうも抽象的で分かるような分からないようなものが多いと感じます。「光を探す」もその一つで、今一つ何を言っているのか良く分かりません(そう言えば、似た表現に「影を見る」というのもありますね)。たぶん、言語化が足りていないのだと思います。
ネットを見ても大した情報は無い
写真に限らず言語化の難しい概念ってネットには大した情報はありません。もともとネットは言語化された情報をまとめるのに向いているので、しかたないのですが。
そうなると、自分で試して探っていくしかありません。
センスのある人は自分で試していくうちに正解にたどり着くことができますが、センスのない私のような凡人は闇雲に試しても得る物は少ないものです。そこで、まずは情報の構造を整理して、センスに頼らない学習を目指したいと思います。
どんな光を探す何か?
「光を探す」といっても、そもそもどんな光を探すのでしょうか?
探すべきは、写真を撮るのに都合の良い光。スピードライトで光を作ってしまえば、別に探さなくても良いのでしょうけれど、自然光で探すしかありません。
光の何を探しているのか?
光には以下の属性があります。
- 方向
- 強さ
- 柔らかさ
- 色
光の方向は、主に4つに分けられます。夫々の性質は以下のように言われています。
- 順光:被写体の表面の質感や色がよく写る
- 逆光:被写体の輪郭が浮き出るように写る
- 斜光(横):被写体の陰影がよく写る
- トップライト(上):一般には写真に適していると言われない、普段の日中の太陽と同じ方向であるため、平凡な写りになる
光の強さは、明るさと言い換えても良い。明るすぎるとスローシャッターは切れないし、暗すぎるとISO感度を上げていくしかありません。
光の柔らかさとは、光の方向がどれだけ揃っているか。太陽からの光は、平行光線と小学校で習いますが、これはすべての光が同じ向きと言うこと。向きの揃った光を硬いと呼びます。それに対して、日影にいると周囲から反射する光で照らされているため、光の方向がバラバラになります。これを柔らかい光と呼びます。(実際は、光が硬かったり柔らかかったりするのではなく、光によって作られる影のエッジが強くでるかどうかで硬い柔らかいを言っているのですが。)。
光には思っている以上に色が付いています。電球の光はオレンジがかっていますし、ネオン菅からの光は青や赤など様々な色がついています。
光源
光を出しているのは、光っているものだけではありません。白い壁なども結構光を発しています。よくある分類は以下。
- 直射光:光源から直接届く光
- 反射光:壁などに反射して届く光
- 透過光:ガラスなどを透過して届く光
光を探すとき、直射光ばかり気にしてしまいがちですが、反射光も案外強いのでこちらも気を付けると良い。
その他
影と明るさムラが作る模様にも、気を配ると良いでしょう。
まとめ
プロの写真家とフォトウォークをさせてもらったとき、彼が「光を探す」という言葉を何気なく使っていました。写真雑誌などでも「光を探す」「光を見る」「影を見る」などとよく言われますが、これはどいういう意味なのかまとめました。
知識として知っていれば、臨機応変に使い分けることもできると思います。
おまけ
順光と逆光のどちらがいいか?そんなことを考えてはいけません。順光と逆光の両方で撮りましょう。光をみつけられれば、バリエーションが増えるくらいに軽く考えれば良いです。また、逆光で撮るときは被写体が暗く写るので、露出のプラス補正を忘れずに。