今年の春は早くやってきそうです。今年こそは、桜を素晴らしく撮りたいと昨年の写真を見返しています。
梶井基次郎の小説「桜の樹の下には」は、次のように始まります。
桜の樹の下には屍体が埋まっている!
これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。
桜の花の圧倒的な美しさ、この世のものとは思えない迫力を、「屍体」というレトリックを使って表現しています。
桜の花を見ると、毎年私はこの小説の始まりを思い出します。そして、ああでもないこうでもないと撮り方を考えます。
使用機材
オリンパス PEN mini E-PM2