熱海のサンビーチには、小説 金色夜叉をモチーフにした像が立っている。今の令和の時代には、考えられないバイオレンスなポーズをしている。
結婚を約束していた貫一とお宮、しかし金持ちに口説かれたお宮は貫一を捨てる。そうして裏切られた貫一がお宮を蹴っている様子がこれだ。
さて、この写真を撮るまでの試行錯誤を振り返る。
最初に撮った一枚が下。普通に正面からまっすぐ撮ってみた。旅行の記録写真としては上出来だけど、普通過ぎて面白くない。
貫一がお宮を見下ろす感じを出したくて、2枚目は縦構図で撮ってみた。ついでに貫一の顔が写るようにした。貫一の右足が良い感じ(バイオレンスな感じ)で撮れた。コートの右すその躍動感もある。
さらに迫力を出すため、お宮にグッと寄ってみたのが次の写真。貫一の躍動感は減ったが、お宮を蹴る下駄の迫力は増した。また、貫一の見下ろし感も増した。
これでも良かったのだけど、縦長な被写体を縦構図で撮るのは工夫が足りない気がしたこと、お宮の顔が写らないのは寂しい気がする。そこで、横構図で目いっぱい像を入れて、お宮と貫一の両方の顔が写るよう撮ったのが冒頭のこれ。
まとめ
熱海 貫一お宮の像を撮るときの試行錯誤を書いた。
冒頭の写真が一番好きだけど、下から2枚目も悪くない。可能ならば、お宮の顔を高い位置(貫一の頭よりも高い位置)から撮ってみたかったけれど、それは脚立がないと無理だから、あきらめる(これが撮れたら、今まで誰も撮らなかった唯一無二の一枚になったと思う。)。
こうやって試行錯誤を書き記すと、撮影プロセスの言語化ができて私の勉強になる。また、書いてみたい。