コンパクトデジカメはボケないとよく言われる。それって何故だろう?そしてどれくらいボケないのだろう?
ピントが合ってしまう距離
ボケとはピントが合っていない範囲のことである。これに関連して、ピントが合ってしまう範囲について別エントリに書いた。
ピントが丁度あった被写体とカメラの距離をsとしたとき、被写体の後ろの距離はピントが合ってしまう。
ここで、
fはsに比べてずっと小さいことからと近似でき、上式は次のように書ける。
つまり、焦点距離fが小さいほどピントが合ってしまう範囲が広くなる。
コンパクトデジカメは焦点距離が短い
デジタル一眼カメラと比べ、コンパクトデジカメの焦点距離は小さい。例を示す。
カメラ | 焦点距離 | 撮像素子サイズ |
---|---|---|
サイバーショット DSC-RX100M5(ソニー) | f=8.8-25.7mm | 1インチ |
COOLPIX A100(ニコン) | f=4.6-23.0mm | 1/2.3 |
iPhone X(apple) | f=6mm |
本体のサイズを小さくするため焦点距離fを小さくせざる得ないのだ。そして、上で述べたように焦点距離が小さいとピントが合ってしまう範囲が広くなる。こうしてコンパクトデジカメは、ボケにくいというわけだ。
コンパクトデジカメもボケるとメーカーは言うが
新しい製品が出るたびにメーカーは、今度のカメラはレンズが明るくてボケると言い続けている。しかしその作例にはある共通点がある。どれもが、小さな被写体をアップで写している。
例えば以下のようなものばかり。これも上の式でわかるように被写体との距離sが小さくなるほど、ピントが合ってしまう範囲が狭くなるためだ。
でも、下のような離れた被写体でもボカしたいよね。これはコンパクトデジカメではちょっと無理。